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アニマガ情報ドットコム

アニメや漫画に興味がある人のための、情報共有ブログです。

『攻殻機動隊』のスカーレット・ヨハンソンは、白すぎるのか?

映画

とうとうイメージが発表されたハリウッド版『攻殻機動隊』。

主人公の草薙素子を演じるスカーレット・ヨハンソンについて各種賛否両論入り乱れています。中にはこれはハリウッドによる有色人種への差別じゃないか、という論調もあるほど。

この記事では、そもそもアニメやマンガといった日本の文化は、西洋の文化に大きく影響を受けているんだぜ、ということを論じています。

長く回りくどい表現が多いので、本題と関係ない部分などは端折っています。

先週、『攻殻機動隊』のハリウッド版リメイクのファースト・イメージが発表されるや、お決まりの批判が出た。主役の草薙素子を演じるスカーレット・ヨハンソンは黒髪のボブカットに黒い睫毛で、これは"ホワイト・ウォッシング"の典型のように思える。ホワイト・ウォッシングとは、白人が有色人種の役を演じることである。パラマウントのエグゼクティブは、CGIを使って非アジア人俳優をアジア人のように見せることを考えていた、という報告もある(この計画は取りやめになった)。これに対する反応は、ソーシャル・メディアで即座に広まった。女優のミン・ナ(Ming-Na Wen)はこうツイートした。

「スカーレット・ヨハンソンに反対するわけじゃない。私は彼女の大ファンだもの。アジア人役へのホワイト・ウォッシングについて反対してるだけ。」

コミックブック・アーティストのジョン・ツェイ(Jon Tsuei)は、『攻殻機動隊』という作品の本質についてつづったエッセイをツイートし広く拡散された。

「『攻殻機動隊』はこうしたテーマを扱っている。これは日本の物語であって、世界の物語ではない。」

ハリウッドには、アジア人役に白人を起用してきたという恥ずべき歴史がある。『攻殻機動隊』の場合、制作会社は超大作のオイシイ役どころを無名俳優に与えたくなかったのだ。アジア人はその人口にも限らず、娯楽産業において最も過小評価されたマイノリティであり、それゆえに娯楽作品によって自分たちを理解する国においては、最も見えにくい人々である。

しかし、ハリウッド版『攻殻機動隊』への批判は、文化の流用あるいは異種交配とでもいうべきより複雑な事情を覆い隠してしまう。率直にいって、草薙素子はアジア人キャラクターなのだろうか。そして、典型的な日本の物語とはなんなのだろうか。

 

マンガやアニメが日本の文化に影響を与え始めたのは戦後である。現代の日本において、戦争の影響を受けていないものはほとんどない。昭和天皇はもはや日本国の父ではなく、マッカーサー将軍が父となった。国家主義的秩序は完璧に信頼を失い、日本の破滅の原因をみなされた。そして敗北のなかから、新たな秩序が打ちたてられたのである。軍国主義と世界的な統治は消え去り、多くの日本人は自らを加害者として見るよりは、太平洋戦争の被害者として見なすようになった。そして、日本人は優れた人種であるという概念は、敗戦という屈辱的な現実により退けられた。アメリカによる占領は、比喩的には日本の売春宿化だったのだ。

アメリカ人が日本という国について考えるとき、日本は単なる外国にすぎない。しかし、日本人は日米関係は特別な関係だと思っている。日本の憲法を書いたのはアメリカ人だ。今日まで、日本はアメリカの軍事力の傘の下にいる。近代化を西洋との関係によってとらえる国家、あるいは戦後、自分に自信を無くした国家にとって、アメリカという国は文化的インスピレーションの源泉なのである。

これは数えきれない点で明らかである。米国では日本に次ぐ人気を誇る村上春樹は、「ジャズ・ミュージック、ドフトエフスキー、カフカ、レイモンド・チャンドラー」と西洋の影響を挙げている。黒澤明はシェイクスピアやダシール・ハメットの作品を換骨奪胎し、日本向けに作った。小説家の水村美苗は「日本の作家は、本質的に日本と西洋との、特にアメリカとの関係によって形づくられてしまっている」と主張する。

日本によるアメリカ文化の吸収は、消費者レベルにおいても熱烈なものだ。あらゆるファッション・サブカルチャー、たとえばパンク、スケーター、プレッピー、ゴス、グランジ、ランバージャック、ヒップホップといったものは、その元々の意味をそぎおとされ、日本独自のものと混ぜ合わされてしまう。平均的サラリーマンは、アラジン・セインのころのディヴィッド・ボウイの髪型をしており、主婦はVansを履いてスーパーに行く。日本の高級服の権威、コム・デ・ギャルソンの服は、西洋の根幹部分をみじん切りにしてつなぎ合わせたフランケンシュタイン的ごちゃまぜ、のように見える。

言葉を変えれば、日本人とは究極の文化流用者である。臆面もなく、西洋のアートやファッションを自分たちのために利用するのだ。日本人によるもともとの意味への無関心さを表す例がある。1990年代、人気のあったスケートボードのブランドにビッチというものがあった。このブランドのシンボルは、トイレ標識でおなじみの男性が同じくトイレ標識の女性に向けて銃を突きつけるというものだった。誰も(おそらく海外にいったことのある日本人も)ビッチという言葉が社会でどう受け取られているのかを知らなかったのだ。

アニメやマンガ以上に、戦後の欲望がはっきりと見て取れるものはない。去勢、服従、無垢であることへの欲求、典型的な西洋人の容姿への畏敬の念と憧れ。こうした要素は村上隆というアーティストが、いまだかつて真剣にあからさみに対処されたことのない問題に取り組むための戦場とみなすジャンルに存在する。『攻殻機動隊』によって、これが例証されている。金髪で、四角いアゴをしていて、がっしりして、重装備をしている主人公たちは、猫背で大きな眼鏡をかけた"普通の"日本人市民と対比させられている。草薙元子は顕著だ。他のアニメのヒロインと同様に、彼女は長い脚をしていて、いつでもむき出しになっている大きな胸があり、青い大きな目をしている。典型的なアニメのヒロインはアジア人によって理想化された白人かどうか、ということについては議論すべき問題である。しかし、草薙素子が多くの日本の芸術や文化と同じく、アジアと西洋の両方からの影響によって成り立っているということは、明らかなことだ。別の言い方をすれば、ヨハンソンの代わりに菊地凛子を起用することが正しいとは思えないということだ。ヨハンソンは金髪というルーツも合わせて、素子の身体的特徴に図らずも合致する。

 

ここまでの文章は、ハリウッドやパラマウントが、アジア人やマイノリティ役に白人を起用することを決めることへの口実、というわけでは一切ない。文化の流用は、その最悪のやり方によっては、抑圧の道具にもなりうる。白くないものを白くすることで、白人の支配を強調する手段になってしまうかもしれない。また、白人による美や優雅さの概念を永続させることにもなりうる。そうなれば、自分たちの内に独自の価値観を見ようとしているマイノリティ集団にとっては有害なことだ。

しかし、最良の形では、他と隔絶されていては存在しえなかったはずのハイブリッド現象につながるだろう。もし『用心棒』がなかったらこの世界は貧しいものになっただろうという点については、誰もが一致するはずだ。ジョージ・ルーカスが日本の伝統的なドレスを流用したことによって、『スター・ウォーズ』の美学は産みだされた。『スター・ウォーズ』が、自己民族中心主義への批判の原因になるようには見えない。日本によるベースボールのプレイの仕方から、カリフォルニアロールの発明から、ウォシャウスキー姉妹による『攻殻機動隊』を流用した『マトリック』まで、最良の形のリストは続く。もしアニメのクリエーターたちが日本人の美学に固執するように自分たちを縛っていたら、アニメはどうなっていたかなんて、想像するのも不可能なことだ。

 

 

かなり小難しい用語を使っていましたが、理解できたでしょうか?

要約すると、

ホワイト・ウォッシングというけれど、そもそもアニメやマンガは西洋の影響を受けたものだし、アニメキャラって西洋人っぽい。特に草薙素子なんて、まんま白人とアジア人のいいとこどりじゃん。あんまりゴチャゴチャいうなよ。

ということだと思います。

ただし、日本が西洋から多くの影響を受けたということは、ほとんどの日本人はわかっていることですよね。そもそも、20世紀最大の文化大国であったアメリカに影響を受けなかった国なんてあるんでしょうか。まして、直接の統治を受けた日本がアメリカの影響下にあることなんて当たり前でしょう。

なので、「実は、現代の日本の文化は西洋由来のものなんだぜ!」といわれても、それがどうしたの? と思ってしまいました。

そんなことより、「スカーレット・ヨハンソンの起用について、あんたはどう思ってるんだよ」とイライラしてしまったのですが、残念ながらこの記事では答えてくれていません。

あちこちに言及して、最後のほうでは日本への言い訳もして。結局、この記事で何がいいたかったのか、よくわかりませんでした。