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アニマガ情報ドットコム

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耽美danmeiとは何か?―中国で急増するBLファンと政府による検閲―

小ネタ

日本では、BLはかなり市民権を得たジャンルではないでしょうか?

アイドルがBL好きを公言したり、バラエティ番組やワイドショーなどで腐女子やBLが取りあげられることも多くなりました。

実は、男性同士の恋愛を女性が楽しむという文化は、日本だけでなく世界的なものなのです。

で、こうした文化が中国でも目立ってきているという記事がTHE Economistにありましたので訳出します。

※ところどころ省略したり意訳した部分もあるのでご了承ください。

シェン・ジアSHENG JIAがdanmei fictionに初めて出会ったのは五年前、彼女が上海大学でジャーナリズムを学んでいたころだった。現実逃避をしたがっていた彼女に、友達が『シルクのトラウザーSilk Trousers』という小説を勧めた。ハンサムで中性的な貴族が、人に化けられる狐の王と恋に落ちるという悲恋譚である。

中国ではめったに表立って語られることのない同性同士の恋愛をほのめかす描写がある物語に、シェンさんはすぐに夢中になった(中国では、2001年まで同性愛は精神的な病気だと考えられていた)。そして、こうした小説は、中国人女性の間で人気のある甘ったるいラブ・ストーリーよりも魅力的だと思った。

danmeiとは「美に耽る」ことを意味し、他の国ではスラッシュ・フィクションslash fictionと呼ばれる。このジャンルがスラッシュという言葉を使うのは、主役の登場人物を「/」で区切るからだ。先の例でいえば、狐の王/貴族男性となる。danmeiは、近親相姦、歳の離れた相手とのセックス、容姿の悪い人とのセックスといったタブーに踏み込むことがあり、日本のマンガに着想を得たものである。(danmeiという言葉は、日本語の耽美tanbiに由来する。)中国では、こうしたジャンルはインターネットでしか見られない。非国営の出版社も、ポルノグラフィを規制する法律を犯すことを恐れて出版したがらない。

より若い世代やティーンエイジの少女たちにとって、danmeiは非常にポピュラーになってきている。danmeiの掲載に熱心なサイトには多くの訪問者がいる。中国におけるインターネット上のポルノグラフィを専門に研究する香港大学のケイト・ジェイコブス Katrien Jacobsは、どの高校や大学のクラスにも、少なくともひとりはdanmeiのファンがいると見積もっている。もしそうであるならば、これは数十万人もの読者がいることを意味するのだ。danmeiは、女性は控えめで社会的な慣習に従うべきだという文化に逆らっている感覚作ることで読者を引きつけている、とジェイコブスさんはいう。読者は禁じられたことを楽しむことに喜びを感じているのだ。

オンライン以外で楽しむという選択肢がないことが刺激となって、近年、あらゆる分野においてオンライン上で読書を楽しむ人が急激に増えている(出版社は政府に管理されているので)。中国で最も大きなオンライン小説の出版社であるチャイナ・リーディングのゼネラルマネージャーを務めるヤン・チェンYang Chenによれば、インターネットで小説を読む人は2億7500万人ほどいる。大きな魅力となっているのは、オンライン小説は検閲をするのがずっと難しいということだ。danmeiの出版社は、機械が読み取りやすいテキスト形式を避ける。その代わりに、文章を撮影して画像にしたりオーディオ・ブックとして流通させる。こうすれば、検閲ソフトが禁止ワードをスキャンすることがより難しくなる。2011年、danmeiの作者たちはウェブサイトを閉鎖し、翌年になって、そのサイトの開設者である男性が18ヶ月の懲役を受けた。わずか三年にも満たない期間に、1,200もの小説が掲載された。報道によれば、その多くは若い女性による作品だという。しかし、ほとんどの場合、検閲はハードコア・ポルノの拡散と共産党への批判材料を止めることに夢中である。danmeiは生々しい描写を避けるし、政治的なものは扱わない。

シェンさんが弾圧に悩まされることはない。彼女は自分のことをfunu腐女、あるいは「腐った女rotten girl」と思っている。これはdanmeiの読者が時として皮肉まじりに自分達を表すゴロ合わせの言葉だ。中国本土ではリスクがあるにもかかわらず、台湾や香港(ここでは、danmeiは合法だ)から大好きな作家の作品を買い、シェアし続けるつもりだ、とシェンさんはいう。

 

 

 いかかでしょうか。日本に住むわれわれにとってはちょっと信じがたい話しもあります。中国ではBLを描き楽しむのも命がけというか、下手すれば逮捕されるリスクもある行為なんですね。あらためて、日本でアイドルや女優がBL好きを公言できるっていうのは幸せなことだと思いました。