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アニマガ情報ドットコム

アニメや漫画に興味がある人のための、情報共有ブログです。

Cartoons for Victory―ミッキー・マウスはいかにして戦争に加担したか―

おもしろそうな本が発売されました。

こちらのサイトが紹介している、Cartoons for Victoryという本。

Cartoons for Victory

Cartoons for Victory

 

第二次世界大戦中の、プロパガンダ・マンガを収録したものです。

メディア研究みたいな分野では、ポスターや雑誌の研究は定番ですが、この本は考察や研究といった感じではなく、図録ですね。

収録作品は著者であるWarren Bernardさんの個人的なコレクションであり、その90%以上が初出以来の収録とのこと。

つまり、ほとんどが見たことない作品ってことです。

肝心の内容ですが、アダムズ・ファミリーThe Addams Familyで有名なアダムズCharles Addamsや、ウィル・アイズナー、それからもちろんディズニーキャラクターなどです。

著者のWarrenさんですが、不勉強ながら今回はじめて知りました。

Amazonの著者紹介によれば、個人で大戦期のマンガをコレクションする傍ら、Small Press Expoというインディー系出版社が集まるイベントのディレクターも務めている人で、たぶん、米澤嘉博さんと清水勲さんを合わせた人だと考えて間違いないと思います。

たぶん日本ではほとんど知られていない人物ですし、グーグルで検索すると同性同名の別人が真っ先にヒットするので、なかなかやっかいです。

紹介したサイトには、著者へのインタビューも掲載されているのですが、長いので最初の質問のみ訳出します。

 

・戦争は、いかにしてカートゥーンの世界を政治化したのですか?

ウォルト・ディズニーはスタジオを政府の宣伝部門にしました。ドナルド・ダックミッキー・マウスグーフィーなどのキャラクターを使って、大衆向けのプロパガンダ映画や軍隊のための教育映画を作ったのです。エンタテインメントは、突如として政治的な目的を持ちました。1940年の8月までには、ハム・フィッシャーHam Fisherのジョー・パルーカJoe Palookaは新兵として入隊しました。1941年には、より多くのコミック・ストリップやコミック・ブックのキャラクターが戦争を題材にしました。そのどれもが、戦争への心構えをするか支援のために介入するか(当時は少数意見だった)を促すものであり、1941年初期のキャプテンアメリカの登場や1941年後期のスーパーマンの登場によって絶頂期を迎えたのです。どちらもナチと戦っていました。

戦火が広がるにつれてカートゥーン産業は団結し、軍隊はすばらしい才能の持ち主が生まれる場所になりました。星条旗新聞は、ディック・ウィンガートの練習場でした。戦後、彼のヒューバートHubertという作品は新聞に掲載され、アメリカ中に広まりました。未来のスーパーマン作画家カート・スワンCurt Swanによる初期のコマ絵は星条旗新聞に掲載されました。未来のピュリッツァー賞受賞者である諷刺画家ジョン・フィッシェッティJohn Fischettiもそうです。海軍についてですが、前ディズニー・アニメーターのハンク・ケッチャムHank Ketchamはカートゥーンやイラストレーションを描き、数ダースにもおよぶ海軍発行の新聞によって広まることで、海軍隊員に戦時公債を購入させる手助けをしたのです。カートゥーンという「地位の低い」芸術形式がものすごく重大な戦争と交わるという、歴史的に奇妙な瞬間でした。私は、この二つがどのようにしてお互いに影響しあったのかを見たかったのです。